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【食事指導トレーナー監修】カゼインフリーで体調がよくなる!?牛乳成分カゼインで腸に炎症、副腎疲労でアレルギーに!?

【話題のカゼインフリー食生活でアレルギー改善】牛乳・乳製品に含まれるタンパク質「カゼイン」(casein)が腸に炎症を起こす原因に?アレルギー症状や頭痛、倦怠感はカゼインが原因?副腎疲労ってなに?という疑問についてまとめました。

あなた自身やあなたの身近な人たちのなかで、食べ物に関してなにかしらのアレルギーをお持ちの方はいらっしゃるでしょうか?

一般的によく耳にするモノから特殊な症例まで、様々な食物アレルギーがありますが、ここ数年で注目されるようになってきているのが、「カゼイン」によるアレルギー症状です。

牛乳を飲む子供

「カゼインってなに?」「カゼインって初めて聞く言葉!」という方もまだまだ多い、この「カゼイン」なる物質――そこでここではカゼインとアレルギーの関係に注目し、カゼインフリーの食事で期待できる効果についてご紹介します!

カゼインってなに?

カゼイン(casein)とは、牛乳やチーズなどの乳製品に含まれている「リンタンパク質」の一種です。

牛乳の成分は主に、水分、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン(ビタミンAなど)、ミネラル(カルシウム、カリウム、ナトリウム、リン)ーーこれらのなかでタンパク質は、さらに「カゼイン」と「乳清たんぱく質」(ホエイ)に分けられ、タンパク質のおよそ80%をカゼインが占めます。

なお牛乳には、必須アミノ酸(体内で作れないために食事など外から摂取しないといけないアミノ酸)9種類すべてが含まれています。

母乳にも含まれるカゼイン

母乳にもカゼインは含まれているものの、牛乳には母乳のおよそ7~10倍のカゼインが含まれています。

さらに、母乳に含まれるカゼインは牛乳のカゼインよりも分子サイズが小さいため、消化器官が未熟な乳児であっても消化吸収がしやすくなっています。

ちなみに母乳に含まれるタンパク質中、カゼインはおよそ40%、乳清たんぱく質(ホエイ)が60%と、牛乳とは割合の大小が逆になっています。

カゼインが起こす弊害って?

ここまで読むと、「栄養たっぷりな牛乳や母乳に含まれているカゼインに、どんな問題があるの?」と不思議に感じるかもしれませんね。

ですがこのカゼインが、いわゆる「牛乳アレルギー」だけでなく、アレルギー症状と本人が気づいていないような体の不調も引き起こしている可能性が高いのです!

チーズを切るイメージ

先に書いたように、牛乳に含まれるカゼインと母乳のカゼインとは分子サイズが異なるために、吸収しやすさに差が出ます。

さらに細かく見ると、牛乳のカゼインは分解が難しい配列をしたアミノ酸の集合体(タンパク質はアミノ酸が集まってできている物質)であり粘り気があるため、そのまま腸に届くと腸の壁に炎症を起こしてしまうのです!

腸は第2の脳!?

普段あまり意識していない方が多いかもしれませんが、腸は「第2の脳」とも呼ばれているほどに繊細で重要な器官。

たとえば腸には(驚くべきことに!)脳と同じように神経細胞「ニューロン」が存在し、様々な信号を受け取って働いているのです。

さらに腸は、脳の判断ではなく自らの判断によって消化吸収の活動を行い、有害物質が侵入した場合は下痢をすることで有害物質を体外へと排出します。それは腸が「脳から独立した反射経路」を持っているからです。

「体の免疫機能の約70%は腸内環境に左右される」とも言われるほど、腸は体を守る上で重要な役目を果たしているのです。

そのうえさらに意外なのが、腸内細菌はポジティブな気分にさせて気持ちを高揚させる「ドーパミン」や、「幸せ物質」とも呼ばれる「セロトニン」を作り出す作用があること。

つまり腸は「気持ち・感情」にまでも大きく影響を与えているというから、かなりの驚きですよね!

副腎疲労って?

このように心身ともに重要な役割を果たす腸に炎症が起きると、どのような弊害が同時に引き起こされるのでしょうか。

ここで別の器官「副腎」が登場します。副腎とは腎臓の上部分にある臓器であり、なんと50種類以上ものホルモンを分泌している重要な場所です。

この副腎は、腸に炎症が起きると「コルチゾール」と呼ばれる「副腎皮質ホルモン」の一種を分泌し、腸の炎症を治そうとします。ですが炎症がひどい場合や回数が多いと、必然的に副腎は働きすぎて疲れてしまいます。

このように副腎ががんばりすぎて疲れてしまっている状態を「副腎疲労」と呼びます。

たくさんのホルモンを分泌する副腎が疲れて機能しなくなる「副腎疲労」になってしまうと、体中のホルモンバランスが乱れてしまい、様々な不調が現れます。

また免疫機能をつかさどっている腸自体に炎症(ひどい場合には腸壁に穴が空くことも!)が起きるために、本来なら排出されるはずの悪い細菌やウイルスが体中に回ってしまうこともあるのです。

原因不明の体調不良

副腎疲労や腸の免疫機能低下によって引き起こされる症状は、たとえば食物アレルギーのようにすぐに異変が起こるタイプだけではありません。

「頭痛など、なんとなくいつも体調がすぐれない」「アトピー性皮膚炎、喘息、慢性鼻炎、花粉症などのアレルギー症状が治らない」「便秘や下痢を繰り返す」「全身の疲労感が取れず、イライラする」

これらのような「原因が特に思い当たらないけれども、いつも心身ともに調子が不安定」な場合、もしかすると牛乳や乳製品に含まれるカゼインによって腸が炎症を起こし、同時に副腎疲労にもなってしまっているのかもしれないのです!

※腸壁の炎症によって粘膜のバリア機能が働かなくなる疾患に「リーキーガット症候群」があります。腸の炎症がひどく続くと、このような疾患になる可能性も否めません。

カゼインフリーを始めてみては?

そこで最近では、「グルテンフリー」とともに「カゼインフリー」という言葉に注目が集まっています。

■「グルテンフリー」についてはこちら
『グルテンフリーのメリット・デメリット|グルテンフリーは体に良い?グルテンの基本情報と注意点』

「カゼインフリー」とは、カゼインが含まれる牛乳、乳製品(チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、生クリーム、カスタードクリームなど)や、「カゼインナトリウム」という添加物が含まれる、ハム・ソーセージなどの加工食品をいっさい食べない生活をすること。

試しに一定期間カゼインフリーを実践したところ、これまでの不調がすっかり治った、という方も珍しくありません。

牛乳・乳製品イメージ

残念ながら全員の方がカゼインフリーをすることで体調が良くなる、ということはないのですが、少しでも心当たりがある場合や、牛乳をよく飲まれている場合などは、試しにカゼインフリーに挑戦されてみてはいかがでしょうか。

たとえばこれまで牛乳を使っていた料理に、豆乳やアーモンドミルク、ライスミルクを代わりに使ってみたり、急にカゼインフリーは難しいなら牛乳や乳製品を食べる量を減らしてみたり、負担にならない程度から始めてみるのもオススメですよ!

【監修者:相場 美香】
パーソナルジムRACINE(ラシーヌ)のパーソナルトレーナー。健康管理能力検定2級取得。体質に合った、リバウンドしにくくなる食事指導を行っている。

■「グルテンフリー」についてはこちら
『【健康運動実践指導者監修】グルテンフリーのメリット・デメリット|グルテンフリーは体に良い?グルテンの基本情報と注意点』

この記事を書いた人

ライター:奥田真由子

アロマテラピー検定1級、環境カオリスタ、ナチュラルビューティスタイリスト。京都府立大学大学院英語英米文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。文学研究を通して社会と人のあり方を考えていた経験から、国内外エシカル関連の情報を「肩ひじ張らずに」探求したく日々勉強中。