エシカルとは|エシカル消費、エシカルファッション、エシカルコンシューマーって何?エシカルの意味を考えよう!

エシカル(Ethical)の意味は「倫理的な」?エシカル消費(エシカルコンサンプション)って何?というエシカル関連の疑問にこたえる、エシカル入門情報を簡単にまとめました!

雑誌やTV、インターネット記事等のメディアから、外でお買い物をしている時にまで、当たり前のように目にするようになった「オーガニック」「エコ」「ロハス」「フェアトレード」……、それから「エシカル」という言葉。

エシカル、オーガニックなどのテキスト

「エシカル」については単体ではなく、「エシカルファッション」「エシカル消費」など、単語が組み合わさった表現で耳にされたことがあるかもしれませんね。

でも「実は『エシカル』って少し難しい気がして意味もよく分からない」なんて声、よく聞かれるんです。そこで「エシカルって何?」という疑問を解消するべく、「これだけは押さえておきたい」コトをまとめました!

エシカルってどういう意味?

エシカルとは英語で“Ethical”と書き、直訳すると「倫理的な、道徳的な」という意味の形容詞。ちなみにエシカルの名詞形は“Ethic”(エシック、倫理・道徳)です。

この「エシカル」(倫理的な、道徳的な)という考え方をより具体的に説明すると、「自分の利益だけを優先させる『利己主義』な生活を充実させることが真の豊かさではない。生産者、製造者などの労働者である他者や自然環境、未来にまで配慮する『利他主義』の考えのもと、行動しよう!」という社会的姿勢を指しているのです。

エシカルっていつから使われているの?

そもそも「エシカル」は、いつから生産や消費に関わる言葉として使われ出したのでしょうか。

実は欧米では1980年代頃から「エシカル」は、「エシカル消費」「エシカル活動」という表現で使用されるようになっていました。

その意味は、労働者の人権に考慮した労働環境づくりや、地球環境・資源の有限性(限りがあること)を意識した企業活動を行っているかどうかの情報を、消費者自身も商品を購入・使用する際は意識して自ら選びましょう、という社会理念の標語のようなものでした。

しかし世界的により「エシカル」という語が広まったきっかけは、1997年に行われた当時のイギリスの首相トニー・ブレア氏(1997年首相就任)のスピーチと言われています。

ブレア元首相のエシカル外交スピーチ

ブレア元首相はイギリスによるアフリカへの植民地政策についてのトピックで、「犠牲の上に豊かさが成り立ってはならない」「国と国の単位から、個人と個人の関係で考えるべき」と述べ、「これからは『エシカルアプローチ』が重要」だと発言しました。

このスピーチがきっかけで「エシカル外交」という語が広く使われるようになるほど、インパクトのある「エシカル」の使い方でした。

そしてこのスピーチにより、「エシカル」が一部の理想理念ではなく、「発展途上国と先進国の関係」「労働者の人権問題」「地球規模での自然環境の持続性」についての、国際的な目標とすべき理念として捉えられるようになったのです。

エシカルコンサンプション(エシカル消費)って何?

ではここからは、「エシカル」がつく言葉のなかでメジャーなモノをピックアップし、意味をご説明します。

まずは「エシカルコンサンプション」(Ethical Consumption)について。

エシカルコンサンプションとは日本語で「エシカル消費」とも言われており、どちらも同じ意味を指しています。

エシカル消費は直訳すれば「倫理的な消費」となるように、消費(物を購入する)活動を行う(もしくは「消費活動を行わない」と決める)時の指針についてです。

生産から販売工程において、労働者や自然環境、動物などにどのような配慮がなされており、また購入することによって環境・社会問題に対してどのように貢献できるのかを消費者自身が把握して、該当商品やそれを販売する企業の商品全般の「買う、買わない」を消費者が決めることを意味しています。

「エシカル消費」補足:バングラデシュ、ラナプラザビル倒壊事故

2013年4月24日、バングラデシュにあるラナプラザビルが倒壊し、1,100人以上の命がなくなり、約2,500人が負傷、約200人が行方不明となりました。犠牲者の多くはビル内の衣料縫製工場で働いていた女性や子供たち――子供たちもまた、工場で働く労働者の一員だったのです。

ビルの倒壊原因は、市当局から事前に指摘されていた「違法建築」であり、ビルとして安全基準を満たしていなかったからですが、そのようなビルのなかで多くの就労者がすし詰め状態で縫製機器を扱っていた実態が明るみとなりました。

わずかな賃金で長時間の過酷な労働を強いられていた彼らは、先進国で売られる安価なファストファッションのアイテムを作っていました。

このラナプラザビル倒壊事故の詳細が世界中に発信され、先進国の人々にも発展途上国における過酷な労働環境が自分たちの生活と密接に関わっていることが知らされました。

しかし残念ながら今現在も、安価で入れ替わりの激しいファストファッション・ブランドを支えているのは、そのような低賃金・重労働、劣悪な環境で働かざるを得ない人々の存在であることに変わりはないのです。

エシカルコンシューマー(エシカル消費者)って何?

エシカル消費(エシカルコンサンプション)を行う消費者を「エシカルコンシューマー」(Ethical Consumer)、つまり「エシカル消費者」と呼びます。さらにこのようにエシカルの視点で行う消費活動を「エシカルコンシューマーリズム」とも言います。
Ethical Consumer
公式サイトより

1989年にはその名も『エシカルコンシューマー(Ethical Consumer)』というイギリスの専門誌が創刊されており、現在は誌面のみならずウエブサイトも展開されています。

日本におけるエシカル消費の活動って?

日本では2014年に「日本エシカル消費推進協議会」(略して「JEI」。代表:山本良一東京大学名誉教授・国際グリーン購入ネットワーク名誉会長、渡辺龍也東京経済大学教授・フェアトレードタウン・ジャパン代表理事)が発足。

同団体は2017年現在「一般社団法人日本エシカル消費推進協議会」(略して「JEIJC」。会長:山本良一東京大学名誉教授・国際グリーン購入ネットワーク名誉会長)となっています。

JEIJCは人間が他の地球生態系と共生できるように、エシカルな生産・消費その他エシカル文化の定着を目指しています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを「エシカルオリンピック・パラリンピック」とする提案やエシカルチェック(エシカルに関する試験)の実施、フェアトレード(生産者と販売者が公正に適正価格で取引すること)などのエシカル文化を底上げする活動をしています。

■「フェアトレード」について詳しくはこちら

エシカルファッションって何?

エシカルファッションとは、日本では2010年前後からよく聞かれるようになってきた言葉です。エシカルな視点で作られ販売されているファッションアイテムを指し、代表的なモノではアメリカの“FEED”(フィード)が製造・販売している“FEED BAG”が挙げられます。
FEED_bag
アメリカ公式サイトより:FEEDバッグ例

FEEDはローレン・ブッシュ(第43代大統領ジョージ・W・ブッシュの姪、モデル、デザイナー、「UN World Food Program(WFP:国連世界食糧計画)」のスポークスパーソン)が2006年にニューヨークで設立した、社会貢献・チャリティー活動を行うためのバッグブランド。

バッグの売上は、WFPを通して発展途上国の飢餓状態にある子供たちの給食プログラムに寄付されています。このFEEDの活動をFEED Projectと言います。

基本のFEEDバッグの素材自体も100%オーガニックコットン×ジュート(黄麻。UNが食料を供給する際に使用する麻袋の材料)とエコを心がけ、フェアトレード認証も受けています。

※他の素材のバッグも販売されています。
※日本では「ピース トゥ ピース」がFEEDの日本代表として活動しています。

■FEEDについて詳しくはこちらの記事もチェック!
『FEED Project(フィード・プロジェクト)ってなに?オシャレに社会貢献できるFEEDバッグ紹介!』

このようにエシカルファッションとは、製品やその原材料の生産・企画・販売者が発展途上国への貢献(上記のような食料難の子供たち、貧困な生活を送っている地域、教育が受けられず仕事がなく、自立した生活ができないために虐げられている女性たちの支援など)を目的に商品を一般の方に提供します。

さらにはチャリティーとして支援金を渡すだけではなく、企業は製品を作る仕事を現地の方に依頼し適正な賃金を渡すことで、一時的な金銭的支援では終わらずに「継続的」な自立支援を行うことにもなるのです。

それらの商品を購入する消費者は、好きなファッションアイテムを選び買うことで社会貢献のお手伝いが同時にできるため、「気負わずにエシカル消費に参加でき、自分自身も気持ちよく身につけられるファッション」として、エシカルファッションへの支持は世界的に広まっています。

エシカルは積み重ねてこそ!

「エシカル」と聞くと難しいように感じたり、説明を読むことでさらに「自分とは関係のない世界的な社会問題」のように感じてしまった方もいるかもしれません。

しかしたとえば、買いたいと思ったアクセサリーがフェアトレード商品だったら、それを購入することで世界のどこかでそのアクセサリーを作った人に「適切に」還元される――これが「エシカルファッション」を介しての「エシカル消費」なんです!

ナチュラルな雰囲気のアクセサリー

一人ひとりが日常生活のなかで出来ることはほんのわずか。ですから「社会を変えるなんて無理!」と思うのは当然です。しかし消費活動においてどちらか一方を選ぶ際に、ちょっと立ち止まってその背景を考えれば、もしかすると選択肢が変わるかもしれませんね。

そんなみんなの「選ぶ」行為が積み重ねれば、自然な形でエシカルな世界が目の前に広がっている、なんてことも夢ではないのです!

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