FOOD 2019.07.23

フェアトレードコーヒーブランド6選|児童労働とコーヒー豆にまつわる話とフェアトレードを選ぶ理由

【コーヒーを育てているのは子どもかもしれない】日本の食料自給率は38%、つまり海外輸入が62%–そのコーヒーやコットンは児童労働で収穫されているかも?人権・人命も自然環境も守られている製品を選びたいあなたのために、人気フェアトレード・オーガニックコーヒーブランドを選びました。

唐突ですが、「児童労働」という言葉を聞いて、どのようなイメージが浮かびますか?

「発展途上国や貧困地域での問題」「日本に住んでいる自分には関係がないけど、かわいそうだとは思う」「貧しいなら、学校に行くよりも働いたほうが本人にも家族にも良いのでは?」「国際機関が仕事として助ければ?」など、様々なご意見があるかと思います。

児童労働

「児童労働」という言葉は、「どこか遠い国の自分には関係のない話」と感じられる(もしくは「児童労働」という言葉さえも知らない、ピンとこない)方は少なくないのが、日本の現状ではないでしょうか。

ですが、児童労働によって成り立っているビジネスのなかには、コーヒー農園やカカオ農園、コットン農園などが挙げられます。

つまり、「先進国」と呼ばれる国に住む私たちの衣食住に密接に関わる商品の原料や食材となっているモノが、児童労働によって作られている可能性は高いと言わざるを得ません。

食料自給率(2017年で国内生産38%)に限って言えば、約60%の食料を海外から輸入している日本の現状を鑑みると、「食」の分野だけでも「児童労働問題は日本に住んでいる限り関係がない」とは全く言い切れないのです。

ちなみに、「持続可能な開発目標(SDGs)」の「ゴール8:働きがいも経済成長も」内「ターゲット7」は、「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025 年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。」となっています。

■SDGsについて詳しくはこちら⇒
『SDGsとは「持続可能な開発目標」!17個の目標と世界の中の日本の達成状況、SDGs基本情報まとめ』

とはいえ、突然「児童労働について何らかの行動を起こそう!」と言われても、困ってしまいますよね。

そこでここでご紹介したいのが、フェアトレード認証(もしくはオーガニック認証)を受けているコーヒー豆ブランドです。

コーヒー豆

一般的にはあまり知られていませんが、コーヒー農場の生産者たちの多くは、先進国の取引企業に低価格でコーヒー豆を買い叩かれるなど問題を抱え、困窮した生活を送っている実態があり、以前から問題視されています。

このような実態は、低賃金・重労働(場合によっては命の危険もある)な児童労働とも、当然ながら無関係ではないのです。

そのため、フェアトレードやオーガニックの理念をベースに生産されている商品を選ぶことが、一消費者としての意思表示の方法のひとつ、と言えます!

※ご紹介するコーヒー豆ブランドの中には、ブランド自体の公式サイトが存在しないモノがあります。その場合は、日本国内にて取り扱いのある代表的なネットショップを、ご参考までにご紹介しております。他ショップでも取り扱われているケースが多々ありますが、ご了承ください。

■コーヒー生産者の実態について詳しくはこちら⇒
『フェアトレードとコーヒーの真実|コーヒー生産者の実情とフェアトレード認証コーヒーの重要性』

■フェアトレードについて詳しくはこちら⇒
『フェアトレードとは?エシカル消費に欠かせない「フェアトレード認証ラベル」をチェック!』

■フェアトレードチョコレートについて詳しくはこちら⇒
『フェアトレードチョコレートブランド9選|カカオ農園での児童労働問題に取り組むフェアトレード企業紹介!』

■オーガニックコットンについて詳しくはこちら⇒
『オーガニックコットンとは|普通のコットンとの違いは?綿花栽培の現実とフェアトレードな試み!』

【児童労働についての補足情報】

2019年現在(※参照元では2016年)、世界では1億5200万人、つまり「5歳から17歳の子どもの10人に1人が児童労働者」であると報告されています。

■児童労働の定義

法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童(就業最低年齢は原則15歳、健康・安全・道徳を損なう恐れのある労働については18歳)によって行われる労働。児童労働は、子どもに身体的、精神的、社会的または道徳的な悪影響を及ぼし、教育の機会を阻害します。 

※上記参照、引用元:ILO(国際労働機関)駐日事務所ホームページ「児童労働」
https://www.ilo.org/tokyo/areas-of-work/child-labour/lang–ja/index.htm

≪児童労働撲滅活動を行う団体サイト例≫

・児童労働ネットワーク(CL-Net):日本から児童労働問題の解決に貢献することを目指すNGO、労働組合などが加盟するネットワーク(以下の団体も加盟している)

・特定非営利活動法人ACE:世界の子どもを児童労働から守るために活動する国際協力団体

・公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:1919年に創設された国連公認のNGO。現在、世界29ヶ国のそれぞれ独立した組織が、パートナーを組み、世界最大のネットワークを活かして、120ヶ国以上で活動を展開している。

・特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン:1995年カナダにて当時12歳のクレイグ・キールバーガーによって設立された国際協力団体。「貧困や児童労働からの解放」「子どもに世界を変える力がないという考えからの子どもの解放」の2つを目的としている。

Café MAM(カフェ・マム)

・生産されている場所:メキシコ
・エシカルな特徴:フェアトレード、オーガニック、無農薬・無化学肥料栽培
フェアトレード認証(FLO)、オーガニック認証(アメリカ)

Café MAM
※「Fair Select (フェア・セレクト)」公式インスタグラムより

1993年春に日本で最初に発売開始された、国際フェアトレード認証のオーガニックコーヒー「Café MAM(カフェ・マム)」。

メキシコの標高1200mを越える山岳地帯「チアパス州」で栽培されており、マヤ文明の伝統的な有機農法で育てられた香り豊かなコーヒー豆です!

生産者は現地のコーヒー生産者組合サンフェルナンド。自然環境に配慮した農業技術や有機肥料などを使用し、生産者の生活条件の改善や地域環境の発展に尽力しています。

「Fair Select (フェア・セレクト」内の商品ページ

※「Fair Select (フェア・セレクト」は、「フェアトレード・ラベル・ジャパン」の前身「トランスフェア・ジャパン」創設団体である「わかちあいプロジェクト」が運営するフェアトレード商品のショップです。

Café Orquidea(カフェ オルキデア)

・生産されている場所:ペルー
・エシカルな特徴:オーガニック、無農薬・無化学肥料栽培、

カフェオルキデア
※「豆乃木」のネットショップ「Te to Te(てとて)」より

「Café Orquidea(カフェ オルキデア)」は、ペルーのアチャマル村にて生産されている、フェアトレード・オーガニック&農薬不使用栽培コーヒーブランド。

コーヒー生産者としてペルーを拠点にしている高橋克彦氏(奥様はペルー人)が経営している、株式会社KMC(「顔が見えるコーヒー」の頭文字)が生産から販売までを行っています。

ペルーのアチャマル村は、肥沃な土壌によって良質なコーヒーが生産される有名な地域にあります。昔ながらの製法で、自然環境を維持しつつ、地域の小規模生産者や子供たちが笑顔で生活できるように丁寧に作られているコーヒー豆です!

※ご紹介しているコーヒー豆は「生豆」のため、焙煎の必要があります。詳細はショップにてご確認ください。

「Te to Te」内の商品ページ

※「豆乃木」は、代表者の方が海外でのボランティア活動などをしていた経験を元に創設された、フェアトレードコーヒーの輸入・販売をしているフェアトレード専門ショップです。

シリンゲ村物語、グルミ村物語

・生産されている場所:ネパール
・エシカルな特徴:フェアトレード、無農薬・無化学肥料、自然農法栽培

シリンゲ村物語、グルミ村物語
※「ネパリ・バザーロ」のネットショップ「verda」より

ネパールの2つの村「シリンゲ村」「グルミ村」で、農薬や化学肥料を一切使わず、自然にそった農法で栽培された、2種類のコーヒー豆。

どちらも一粒一粒手で摘み、皮むきや選別作業も全て手で行うなど、まさに手間をかけて届けられています!

「やや深煎りのシティーロースト」(シリンゲ村)と「マイルドな浅煎りのミディアムロースト」(グルミ村)で味・香りが異なるため、飲み比べしてみるのもおすすめです。

「verda」内の商品ページ

※「ネパリ・バザーロ」は、ネパールの子どもたちの教育支援を目的として1991年に活動を始めた団体。フェアトレード事業収益部門を担う「有限会社ネパリ・バザーロ」と、非営利部門(福祉部門)を担う「特定非営利活動団体ベルダレルネーヨ」の総称です。

Peace Coffee(ピース コーヒー)

・生産されている場所:東ティモール
・エシカルな特徴:フェアトレード、無農薬・無化学肥料、自然農法栽培
有機JAS認証

peacecoffee
※「Peace Winds Japan」公式Facebookより

東ティモールの最高峰ラメラウ山をのぞむ山の中腹にある「レテフォホ」にて、栽培されている「Peace Coffee」。

レテフォホは、標高1300~2000mという高地に位置し、昼夜の寒暖差が大きく、さらに雨季には降雨量が3000ミリにも達するなど、上質なコーヒー栽培に必要な条件を満たした地です。

農薬や化学肥料は一切使用しない、ピュアオーガニックの土壌で自然栽培されており、完熟した真っ赤な果実のみ、丁寧に手摘み&100%天日乾燥で作られています!

スッキリとした酸味と甘味のベストバランスをぜひ体感してください。

“Peace Winds Japan”のネットショップ“Peace Winds Shop”内の商品ページ

「Peace Winds Japan(ピースウィンズ・ジャパン)」は、「緊急支援」、「復興・開発支援」、「国内事業」に関する、あらゆる社会問題に取り組んでいるNGOです。

paulinho coffee (パウニーニョコーヒー)

・生産されている場所:ブラジル
・エシカルな特徴:フェアトレード、オーガニック、自家製堆肥使用
COE(世界の優れたコーヒーに与えられる称号)入賞農園産

パウニーニョコーヒー
※「第3世界ショップ」のネットショップ「Asante sana」より

世界で最も権威のあるコーヒー品評会「カップ・オブ・エクセレント(COE)」を何度も1位入賞している「パウニーニョコーヒー」。

初めての入賞の際は、有機栽培のコーヒー(オーガニックコーヒー)が1位入賞するのは「世界初の快挙」として非常に驚かれ、ニュースになったほどだそう!

農薬も化学肥料も一切使用せず、自園で飼育している牛のフンなどから作る自家製堆肥のみを使っています。完熟した実を丁寧に手摘みし、水洗いせずに天日乾燥。

じっくりと時間をかけて作られている安心感が品質に現れている、まさに「顔の見えるコーヒー」です!

「Asante sana」内の商品ページ

「第3世界ショップ」は、(株)プレス・オールターナティブの輸入・販売部門。代表者の方が、1986年に日本で初めてフェアトレードを事業とする団体「第3世界ショップ」を立ち上げました。

SISAM COFFEE(シサムコーヒー)

・生産されている場所:フィリピン
・エシカルな特徴:フェアトレード、オーガニック
アグロフォレストリー(森をつくりつつ農作する農業方法)採用

シサムコーヒー
※「シサム工房」公式インスタグラムより

フィリピン北部、ルソン島に位置する「コーディリエラ地方」で作られている「SISAM COFEE」。そこは6つの州に分かれている山岳地域であり、様々な先住民族の人々が暮らしています。

その地で活動しているフィリピンの環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」(代表者は日本人女性)とシサム工房は、奨学金支援活動などを行いつつ、シサムオリジナルコーヒーを作ることになった経緯があるとのこと。

「アグロフォレストリー」という、森をつくりつつ農作する農業方法を行うことで、それ以前には深刻な焼畑問題を抱えていた地の自然環境を守りつつ、丁寧にケアをし手摘みしたコーヒー豆を届けています!

「シサム工房」内のコーヒー一覧ページ

「シサム工房」は1999年に京都で生まれた、フェアトレードを軸とする製作・卸・小売り会社。フェアトレード・パートナーは世界に10団体以上あり、フェアトレード製品やその意義を一般に広める活動をしています。

作った人にも人生がある当たり前

毎日の休息タイムやお仕事などのお供として、世界中で愛されているコーヒー。身近な存在であるからこそ、コーヒー1杯に多くの問題が潜んでいることに、一般消費者はなかなか気づけないかもしれません。

笑顔のコーヒー

ですが、たとえば冒頭で挙げた児童労働問題は「私(=あなた)には無関係な遠い国のかわいそうなお話」ではないことに、わずかでもお気づきになっていただけたかと思います。

コーヒーに限らず、フェアトレード・オーガニック、またエシカル(倫理的)でサステナブル(持続可能な)観点から人にも環境にも丁寧に作られた製品を選ぶことは、他者のみならず、あなた自身の生き方にも影響を与えるはず。

まずは今日から、異国の誰かが誇りをもって育ててくれたコーヒーを、あなたの大切な人におすすめしてみませんか?

■コーヒー生産者の実情とフェアトレードについて詳しくはこちら
『フェアトレードとコーヒーの真実|コーヒー生産者の実情とフェアトレード認証コーヒーの重要性
 

■フェアトレードについて詳しくはこちら
『フェアトレードとは?エシカル消費に欠かせない「フェアトレード認証ラベル」をチェック!』
 

■フェアトレードチョコレートブランドについて詳しくはこちら
『フェアトレードチョコレートブランド9選|カカオ農園での児童労働問題に取り組むフェアトレード企業紹介!』
 

■オーガニックコットンについて詳しくはこちら⇒
『オーガニックコットンとは|普通のコットンとの違いは?綿花栽培の現実とフェアトレードな試み!』