FASHION 公開:

オーガニックコットンとは|普通のコットンとの違いは?綿花栽培の現実とフェアトレードな試み!

【オーガニックコットンと通常のコットンって何が違うの?】オーガニックコットンとは有機栽培綿。でも肌への優しさだけではなく、フェアトレード&持続可能な環境で作られている点もオーガニックコットン認証には必要なんです!従来の綿花栽培の過酷な労働環境、多量の化学薬品・農薬使用の真実!?エシカルとオーガニックコットンの関係って?など、オーガニックコットン情報についてまとめました。

肌に直接触れるコスメの成分を気にする方と同じく、肌に直接触れるタオルや下着、Tシャツ、ボトムスなど衣類の繊維の質を気にする方も増えてきている昨今、「オーガニックコットン(綿)」という言葉がよく使われるようになったかと思います。

オーガニックコットンを使ったタオル

たしかに「オーガニック」というワードがついていると、食べ物と同じように、なんとなく体に良さそうなイメージはしますよね。

ですがオーガニックコットンと普通のコットンの違いをきちんと理解している、という方は少ないのではないでしょうか。

そこでここでは、オーガニックコットンと普通のコットンの違いについて注目し、なぜエシカルファッションブランドの多くがオーガニックコットン使用にこだわっているのか、ご説明いたします。

※すべての化学染料や合成化学物質などが必ず有害だと断定できません。ですが「可能性がある」という点に注目することも消費者の選択のひとつとしてご一読ください!

綿花栽培における化学農薬の使用量

オーガニックコットンについてご説明する前に、あまり一般的には知られていない、綿花栽培(コットン(綿)栽培)にまつわる社会問題についてご説明します。

第二次世界大戦後、世界の農業において、化学肥料、殺虫剤や除草剤などの化学農薬を使用することで食料増産を図る方法が積極的に採られるようになっていました。

その後、様々な化学農薬による弊害によって1970年代から地球環境への関心が先進国のなかで高まります。しかし残念ながら1990年代以降には、世界中でミツバチが大量死するなど、生態系への大きな悪影響が明るみとなってきました。

綿花栽培においても同様に、その栽培過程には化学農薬が使われています。

化学農薬使用のピーク時である1990年代における使用量は「綿花畑の面積=地球上の1%未満」に対して「化学農薬の使用量=地球上で使われる1/4(20%以上)」と言われるほど、綿花栽培には多量の化学農薬が使用されていました。

現在ではピーク時と比較すると減少してはいるものの、それでもたとえば殺虫剤の使用量は「地球上で使われる16%程度」(綿花畑の面積=地球上の農地の約2.5%)を占めると言われています。

また綿を収穫する際には、機械で収穫しやすいように葉や茎を人工的に枯らすために落葉剤を散布しているのです。

綿花栽培とトラクターによる収穫

さらには収穫後の綿花を繊維として加工する際には、染料の発色をよくするために、まずは漂白剤で真っ白にしたり、人体に有害な可能性のある化学染料で様々な色に染めたりしています。

綿花栽培と労働問題

化学農薬の土壌汚染など環境問題だけではなく、綿花栽培における労働問題・人権問題も注目されています。

綿花栽培の歴史は古く、紀元前5000年頃には行われていた痕跡がメキシコで発見されており、綿布の形で最古のモノは、インダス川流域に位置するモヘンジョダロ遺跡(紀元前2500-1800年)で発見されています。

近代における綿花栽培は16世紀からアメリカ南部で盛んに行われており、アフリカ大陸から黒人を奴隷として連行し、綿花栽培に従事させていました(これを「奴隷制プランテーション」と呼ぶ)。

そして現代では、アメリカ南部のほかにトルコ、インド、中国、南米、アフリカ諸国などで綿花栽培が広く行われています。

しかし発展途上国における綿花農場では、栽培自体を始める前に(化学農薬や遺伝子組み換え種の購入などに)生産者が借金をしなくてはならなかったり、幼い子供たち(特に女児)が学校にも行かせてもらえずに働き手として過酷な労働を強いられたりと、悲しい現実が取り巻いています。

また化学農薬の大量散布は、生産者の健康被害問題も引き起こしており、安全な労働環境とはとても言えない状況なのです。

オーガニックコットンってなに?

ではオーガニックコットン(別名「有機栽培綿」)とは、従来のコットンとどのような点が異なるのでしょうか。

オーガニックコットンの定義には大きく2つの重要ポイントがあります。それは

・2~3年以上オーガニック農産物の生産を行い、認証機関に認証された農地で栽培されている
・使用する農薬や肥料は化学農薬ではなく、肥料には糞尿やマメ科から取れる緑肥を使用している

というものです。またさらに細かく見ると、「遺伝子組み換え種子を使用していない」「害虫駆除に農薬を使用しない」といった内容が挙げられます。

オーガニックコットン畑

※たとえばオーガニックコットン栽培では、害虫駆除のために「害虫の天敵」である虫を増やすための雑穀(トウモロコシなど)を周りに栽培するなどの方法が採られています。

また収穫後、綿から布を作る際にも、通常のコットンのように化学薬品などは極力使用せず、天然素材のモノをつかって加工し、発がん性物質やアレルギー要因となる薬品の使用はすべて禁止されています。

さらには人権が守られた労働環境もまた、オーガニックコットンの認証には必要となります。

公正な価格での取引(フェアトレード)や児童就労の改善(子供が学校に通い、不当な労働を強いられない)といった、誰も搾取されることなくエシカルな労働環境で育っているのが、オーガニックコットンなのです!

オーガニックコットンと認証されるには?

オーガニックコットンと普通のコットンとでは、見た目で違いを見分けることは難しいため、各国の認証機関が認証書を発行します。

※日本では有機JAS基準に綿花は含まれておらず、認証機関はありません。

綿布(テキスタイル)としてのオーガニックコットン認証は、世界的な認証機関「非営利活動法人GOTS (Global Organic Textile Standard)」が認証を行っています。

GOTS
※GOTS認証ラベル(GOTS公式ホームページより)

GOTS認証ラベルには2種類あり、上の画像の向かって左側は「製品の95-100%が認証済みオーガニック繊維」であることを、右側は「製品の70-94%が認証済みオーガニック繊維」であることを認証しています。

先述したオーガニックコットンの定義が示すように、GOTSは化学農薬の使用有無以外に、環境管理や社会的規範なども認証条件に入れています。

日本では、オーガニックコットン製品普及事業などを行う「NPO法人日本オーガニックコットン協会」(略称JOCA)が、GOTSを構成する4か国(ドイツ、アメリカ、イギリス、日本)の組織の一員として基準策定に参画しています。

オーガニックコットンでエシカルな楽しみを!

すべての化学農薬が地球環境にとってどのような影響を今後数十年から数百年にわたって及ぼすのかは、それぞれの立場や見方によって異なる意見が飛び交っています。

しかし長い地球の歴史上で、これほどまでに合成化学物質が散布された数十年があったかと言えば、だれもが否定するのではないでしょうか。

オーガニックコットンは肌への優しさだけではなく、フェアトレードや環境保護など、広い視野でサステナビリティ(持続可能性)を追求したエシカルな農作物だと知れば、別の側面が見えてきますよね。

オーガニックコットンと肌着

あなたが手に取った肌着や洋服にオーガニックコットンの認証がついていれば、それは適正な労働環境・自然環境保護の元で、丁寧に人の手によって育てられた綿花を使用した証。

そういうオーガニックコットンの背景を知ることで、さらに手持ちのアイテムに愛着が湧くなら、エシカルな楽しみがまたひとつ増えたことになりますね!

■オーガニックコットンを使った下着ブランド紹介はこちら
『オーガニックコットン下着ブランド(日本)11選|エシカルで心身が喜ぶランジェリーをデイリーに楽しむ!』

■オーガニックコットンを使ったTシャツ・カットソーブランド紹介はこちら
『国内外オーガニックコットンTシャツブランド11選|肌に優しいシャツで地球環境にもエシカルな優しさを』

■オーガニックコットンタオルブランド紹介はこちら
『オーガニックコットンタオルブランド5選|赤ちゃんや敏感肌でも使いやすい化学物質不使用素材を選ぼう!』 

■ミツバチ大量死と農薬問題について詳しくはこちら
『ミツバチ大量死とネオニコチノイド系農薬の関係|世界で規制される農薬問題と日本の現状』

この記事を書いた人

ライター:奥田真由子

AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー、AEAJ認定環境カオリスタ、AEAJ認定ナチュラルビューティスタイリスト。京都府立大学大学院英語英米文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。文学研究を通して社会と人のあり方を考えていた経験から、国内外エシカル関連の情報を「肩ひじ張らずに」探求したく日々勉強中。