エシカルコスメ、オーガニックコスメ、ナチュラルコスメ、無添加コスメの意味やその違いって?世界におけるオーガニックコスメ認証団体(エコサート、コスメビオ、ネイトルーなど)ってなに?など、昨今注目度が高まっているナチュラル系化粧品にまつわる基本的な疑問とその答えについて簡単にまとめました!
地球にも人にも優しいエシカルな生活を送りたい――そんな思いを抱える方たちに今注目されている「エシカルコスメ」。
でもエシカルコスメって、「オーガニック」や「ナチュラル」「無添加」なコスメ(化粧品)とはどこが違うのでしょうか?
Contents
オーガニックコスメってどんな化粧品?
オーガニックとは「有機の」「有機栽培による」という意味。
そのため「オーガニックコスメ」とは、汚染されていない土壌で、(化学肥料など人工的な栄養素は使わず、環境に配慮して)有機栽培によって育った自然の原材料を使い、オーガニックコスメ認証を受けている化粧品のこと。
オーガニックコスメを認証する団体は世界規模でいくつかあります。
が、各団体によって認証基準がかなり異なるため、1つの団体に「オーガニックコスメ」と認証されていたとしても、他の団体で認定されているコスメと同じ基準を満たしているとは言えないのが現状です。
オーガニックコスメ認証団体例
- ECOCERT(エコサート、フランス)
※国際有機認定機関。オーガニック認証団体の世界基準 - COSMEBIO(コスメビオ、フランス)
※フランスのエコロジカル・オーガニック化粧品の協会が、エコサート基準を満たしたコスメに与える認証 - NaTrue(ネイトルー、ベルギー)
- demeter(デメター、ドイツ)
- BDIH(ビーディーアイエイチ、ドイツ)
- 英国土壌協会(Soil Associationソイルアソシエーション、イギリス)ACO(エーシーオー、オーストラリア)USDA(アメリカ、米国農務省)
※政府機関
などがあります。上記の機関はごく一部の例です!
※団体により、対象は化粧品だけではなく、農産物など全般に対しての認証も兼ねていることがあります。
なお、2010年に「COSMEBIO(コスメビオ)」「ECOCERT(エコサート)」「BDIH(ビーディーアイエイチ)」「SOIL ASSOCIATION(英国土壌協会)」「ICEA(イチェア)」(イタリアの機関。上の表には未掲載)が「COSMOS コスモス」(有機化粧品基準)というオーガニックとナチュラルコスメの世界統一基準を創設しています。
そのため、たとえばECOCERT認証化粧品についているマークの下には、“COSMOS ORGANIC”もしくは“COSMOS NATURAL”と書かれています。
※COSMOS認証には2つのレベルがあり、区別するために「ORGANIC(オーガニック)」と「NATURAL(ナチュラル)」の2種類の表記があります。
【2020年6月補足】日本初のナチュラル・オーガニックコスメ認証協会「JNOCA(ジャノカ)」が2020年5月に誕生
JNOCA(ジャノカ)とは「一般社団法人日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会 (JAPAN NATURAL ORGANIC COSMETICS ASSOCIATION)」の略称。化粧品に関して、一般消費者が安心して選ぶことができるように、成分に関する独自の基準をクリアした製品を認証する機関です。
成分や環境に配慮された化粧品がその価値を広く見出されるように、JNOCAでは「JNOCAナチュラル」「JNOCAオーガニック」という2つの認証基準が設けられています。
これまで日本独自のオーガニックコスメ認証団体はなかったため、このJNOCA認証の誕生によって、日本に暮らす生活者の方にとってコスメを選ぶ基準が以前よりも分かりやすくなるのではと期待できます。
■JNOCAについて詳しくは、こちらの記事でご紹介しています。
⇒『ナチュラル・オーガニック化粧品の日本初認証協会JNOCA|厳しい成分基準でエシカルコスメの目印に!』
オーガニックコスメ認証の注意点
なお、よく誤解されがちですが、オーガニックコスメ認証を受けているからといって、合成成分(合成界面活性剤、合成保存料など)が全く配合されていない、とは断言できません。
というのも、ほとんどの団体がある程度の合成成分の使用を認めているからです。
つまりオーガニックコスメとは言え、「100%有機栽培された植物由来の原料しか使っていない」というコトでは全くありません!!
ただし使用されている「オーガニックな植物性成分の割合」や「使用可能な合成成分の種類」などは、団体それぞれによる独自の規定があります。
それらの厳しい条件に沿った検査によってクリアした製品のみが、オーガニックコスメ認証を受けていることに変わりはないのです。
ナチュラルコスメ、無添加コスメってどんな化粧品?
多くのナチュラルコスメは「防腐剤」「石油由来成分」「合成香料・着色料」などが不使用であることを謳っています。
しかし「ナチュラルコスメ」とは、オーガニックコスメのように特定の団体から認証されたモノではありません。
そのため、多くのナチュラルコスメは可能な限り化学的な成分を使用せずに作られており、敏感肌など肌が弱い方でも使いやすいように製品づくりに配慮がなされていますが、中には化学成分を多量に使用している化粧品も存在するため、注意が必要です。
ちなみに「ナチュラル」と同じように「無添加」も最近よく見られる表記であり、肌に優しいイメージがあります。が、この「無添加」も特定の定義や規定、認証などはないのが現状です。
そのため「無添加」と書かれている場合は、「製造販売メーカーが『この製品は、◯◯という成分は無添加(配合していない)で作っています』と明らかにしている成分に限っては、確かに含まれていないんだな」という程度に捉えておきましょう。
オーガニック、ナチュラルと書かれているだけではダメ!?
実は日本では現在のところ、「オーガニックコスメ」「ナチュラルコスメ」「無添加コスメ」という表記に関する法律はありません。そのため成分に関わらず、製造販売会社がこれらの用語を使っても法律上は問題にはならないのです。
極端なことを言えば、ほんの1滴でもオーガニックな天然成分が入っているだけで「これはオーガニックコスメです」と言い切っている化粧品が販売されている可能性は否めません。
そのため、もしも(先述したような海外の団体の検査をクリアした)認証マークがついていない製品の購入を検討される場合は、ご自身でどのような成分が使用されているのかをチェックする習慣をつけることをおすすめします。
もしも不安な場合は、ご自分の肌にはどのような成分がこれまで合わなかったか、など、自分なりの「不使用リスト」を作ることも大切です。
エシカルコスメってどんな化粧品?
では「エシカルコスメ」とはどのような化粧品なのでしょうか。
エシカルが「倫理的」という意味であることから、エシカルコスメは自然・地球環境、生物に配慮したコスメを指します。さらには使用者(消費者)のみならず、原材料や製品の製造を担う人々のことも配慮されている必要があります。
たとえば、
・自然保護と健康の観点から、オーガニックな植物性成分を使用している。
・化学成分を出来る限り排除している。
・フェアトレード(公平貿易)を実践することにより、原産国の就労者の方と適正な取引をし、また現地の雇用促進を行っている。
・地球環境に配慮した容器を採用している。
・徹底して動物実験を行っていない。動物実験を行っていない原材料を使用している。
・売上の一部がチャリティーとなっており、社会貢献をしている。
といった「地球規模でのエシカル」なことを実践している企業が製造・販売しているコスメが「エシカルコスメ」なのです。
エシカルコスメで自分も世界もより良い明日を
オーガニックコスメ、ナチュラルコスメ、無添加コスメ――これらの良い点を含め、さらにはフェアトレードや寄付など社会活動を行うことで、長期に渡って社会問題を改善していくことができる仕組みを構築している――そのような姿勢を表しているのが「エシカルコスメ」なのです。
コスメを選ぶ時、あなたは何に重点を置きますか? 今や化粧品選びにおいても、地球のこれからのあり方を反映させることができるなんて、ステキなことだと思いませんか?
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