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アーユルヴェーダの心の性質「トリグナ」基本まとめ|あなたの心は動性or怠性?心身の健康を左右する食材とは

【アーユルヴェーダ(Ayurveda)の基本情報!トリグナとは?】心の性質を司る3つのトリグナ「サットヴァ(Sattava)」「ラジャス(Rajas)」「タマス(Tamas)」とはどんな性格のこと?それぞれに偏りやすくなる食材は?トリドーシャ(ドーシャ)と密接な関係があるなど、トリグナについてまとめました。

すでにご紹介している別記事『アーユルヴェーダ入門編|自分の体質タイプと相性のよい食事療法で心身のバランスを取りましょう!』にて、アーユルヴェーダ(Ayurveda)についての入門的な基本情報と、体の健康を司る「ドーシャタイプ」についてご紹介しました。

アーユルヴェーダ

しかし上述の記事内容は、残念ながらまだまだアーユルヴェーダの触りの部分だけ。

そこでここでは次のステップとして、「体の健康」ではなく「心の健康」を左右する要素である「トリグナ」に注目し、トリグナの基本的な考え方をご紹介します!

トリグナってどういう意味?

「トリグナ(Triguna)」とは、簡単に言えば「心の性質、心の状態」を3つのタイプに分けたもの。

「トリ」(tri)は「3」※を意味し、「グナ」(guna)は「性質」を意味します。
※例:「三人組=トリオ (trio) 」、「三角形=トライアングル (triangle) 」

体の性質を司る3つのドーシャ(=トリ・ドーシャ)には「ヴァ―タ(Vata)」「ピッタ(Pitta)」「カパ(Kapha)」がありますが、同じように心の性質を司る3つのトリグナには「サットヴァ(Sattava)」「ラジャス(Rajas)」「タマス(Tamas)」があります。

※「サットヴァ・グナ」「ラジャス・グナ」「タマス・グナ」と呼ぶこともあります。

ドーシャ同様、人は誰でも、どれか1つだけのトリグナの性質を持っているのではなく、これら3つの性質を併せ持っています。

ですが3つのトリグナのバランスを崩してしまうと、心が健康ではなくなっていると言えるのです。

では次に、3つのトリグナそれぞれの特徴を見ていきましょう!

トリグナ1:サットヴァ(Sattava)の特徴

サットヴァ(Sattava)とは、「純粋性」「調和」「クリア」「平安」な心の状態を表します。

もう少し身近な分かりやすい言葉で、どのような性質かを挙げると

・モノゴトを否定的に見ない
・モノゴトを常に公平に判断する
・寛大で誠実
・向上心がある
・目標がはっきりとしている
・忍耐力がある
・集中力がある
・謙虚
・明るく純真
・執着や妬みがない
・無欲
・常に落ち着きがあり、平穏
・清潔感がある

つまりは「ものすごく心の大きな出来た人」とでも言えるでしょうか。

このようなサットヴァの性質を多く持っている人は「サットヴィックな人」と表現します。が、現実社会ではサットヴィックな人はなかなか(ほぼ)存在しないようです。

サットヴィックな人は体もまた健康的で、食事も新鮮で刺激がなく、混じりけのないモノを好みます。

そのため意識的に心にサットヴァの性質を増やすためには、次のような食材がオススメです。

【サットヴァの性質を増やす食材例】

ギー(精製バター)
・米
・穀物
・ギー(精製バター)
・牛乳
・新鮮な野菜・フルーツ
・アーモンド
・デーツ
・非加熱のはちみつ

※基本的に「辛味・刺激のない食材」を選びましょう! 味付けも濃くなく、素材の味を生かした優しい作り立ての食事が良いです。

トリグナ2:ラジャス(Rajas)の特徴

ラジャス(Rajas)とは、「激動性」「傲慢」「欲望」「自己欺瞞」な心の状態を表します。

あまり良いイメージの言葉が並んでいないようですが、ポジティブな面では「好奇心旺盛で活動的にがんばる」人です。

しかし良くない面が強調されると、どのような性質に陥るか挙げると

・自分の欲望を求める
・財産や名誉を求める
・(地位や経済状況に関して)常に不安を感じる
・好戦的
・他者をさげすむ
・他者をねたむ
・エゴイスト
・思い通りにいかないと感情を爆発させる
・注意散漫

つまりは「自分の地位や名誉、財を成すためにはがんばるが、他者はライバルもしくは下に扱い、感情の起伏が激しい人」と言えます。

このようなラジャスの性質を多く持っている人は「ラジャシックな人」と表現します。正直、現実社会では程度の差はあれ、ラジャスな性質が表に現れている人は(もちろん私も含めて!)多いかな……、という気がします。

ラジャシックな人はアクティブなため1人でもよくしゃべり、スパイシーな刺激物や濃い味、お酒を好みます。

【ラジャスの性質を増やす食材例】

香辛料とにんにく
・スパイシーな刺激物(過度に辛いモノや酸っぱいモノ)
・肉類
・にんにく
・玉ねぎ
・ねぎ

トリグナ3:タマス(Tamas)の特徴

タマス(Tamas)とは、「怠性」「無気力」「怠慢」「無知」「愚鈍」な心の状態を表します。

ラジャス同様、こちらもあまり良いイメージの言葉が並んでいませんね(ラジャス以上に良い面がまったくない!)。

ラジャスとタマスは対になる性質と言えますが、具体的にどのような性質か挙げると

・無気力
・曖昧、無知
・短気
・嫌なことから逃げる
・すぐに他者に助けを求めたり、責任をおしつけたりする
・他者に迷惑をかけてもなんとも思わない
・常に眠い
・ネガティブで破壊的
・優柔不断
・執着心が強い(過去にとらわれている)
・清潔感がない
・(アルコール、ドラッグ、ギャンブル、他者などへの)依存性が高い
・(極端な場合)自殺願望がある

つまりは、「すべてにおいて無気力で積極性がなく、他人まかせなネガティブ思考の人」と言えます。

このようなタマスの性質を多く持っている人は「タマシックな人」と表現します。確かにラジャシックな人と対をなして、タマスの性質が強く出ている無気力な人も現代社会には珍しくないかもしれない(私はこちらにも含まれそう……)ですね。

タマシックな人はレトルト食品や加工食品、ジャンクフードなど栄養の少ない食品や、作ってから時間の経った作り置きの食事を好んで食べます。

【タマスの性質を増やす食品例】

ジャンクフード
・レトルト食品
・加工食品
・冷凍食品
・ジャンクフード
・作り置きの料理
・鮮度が低いモノ
・油っこいモノ
・発酵食品

食事で心のバランスまでも調整!

先述したように、人は誰でもトリグナの3つの性質を持っており、どれか1つだけで固まってしまう、という訳ではありません。

つまり、どの性質「グナ」が優位になっているかどうかで、現在の心の状態が決まるのです。

※「サットヴァ=善性」「ラジャス=動性」「タマス=暗性」と表現されることがあります。

とは言え、ここまで読むと、「いきなり悟ったようなサットヴァの状態を優位にするなんて無理!」と思われるかもしれませんね。

ですがたとえばアーユルヴェーダ(またはアーユルヴェーダに含まれるヨガ)の考え方では、一番よくない状態が「暗性優位=タマスが優位」の時――心が動かなくなっている状態です。

※一番良い状態は「善性優位=サットヴァが優位」の時。

そのためもしも「最近やる気が出ないし、すべてがどうでもいい」と思うなら、まずは「タマスからラジャス」へと段階的に優位にしてみませんか。

無気力なタマシックからラジャシックに積極性が出るように、意識的に「ラジャスの性質を増やす食材」を食べるようにしてみましょう!

そしてアクティブな気力が出てきたら、今度は自己中心的で攻撃性のあるラジャスの悪い面を抑えて、純粋で調和のとれたサットヴァの性質が優位になるように、「サットヴァの性質を増やす食材」を意識的に食べるようにしてみましょう!

肉類、野菜などの食材

辛いモノばかり好んで食べているラジャシック傾向にあるなら、食事の半分は素材の味を生かした優しい内容に切り替えてみてください。

つまりは、「ラジャスまたはタマスは絶対に悪いから、これらに当てはまる食材も絶対に摂ってはいけない!」という事ではなく、どちらかに心が偏っていると感じたら、逆の性質の食材を摂ることで「バランスを調整する」感覚が重要、なのです。

まさに食事・食材が体の健康を左右するだけではなく、心の健康までも作る、ということですね。

ドーシャとトリグナは連動している!?

最後に補足として、体の性質を表すドーシャとトリグナには、密接な関係があることも簡単にご説明します。

ドーシャには動性の「ヴァータ」「ピッタ」と、動きのない「カパ」の3つがあります。

そして心に動性のラジャスが増えると、同じく動性の「ヴァータ」「ピッタ」が体に増加します。

反対に怠惰なタマスが増えると、同じく動きのない「カパ」が体に増加する、という連動作用が起こる、と言われています。

自然の中の女性

サットヴァはこれらを超えた純粋性を持っている性質のため、サットヴァを増やすことで、ドーシャのバランスも良くなるとのこと!

もちろん食事だけで純粋なサットヴァの状態になれる訳ではありませんが、体に摂り込む食材によって、自身の行いを客観的に見られる余裕が出てくれば心身が自然に変化し、生き方までも変わるかもしれませんね。

■アーユルヴェーダ(Ayurveda)についての入門的な基本情報と、体の健康を司る「ドーシャタイプ」についてはこちら
『アーユルヴェーダ入門編|自分の体質タイプと相性のよい食事療法で心身のバランスを取りましょう!』

この記事を書いた人

ライター:奥田真由子

アロマテラピー検定1級、環境カオリスタ、ナチュラルビューティスタイリスト。京都府立大学大学院英語英米文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。文学研究を通して社会と人のあり方を考えていた経験から、国内外エシカル関連の情報を「肩ひじ張らずに」探求したく日々勉強中。