サステナブルなコーヒー調達を行うUCCグループのドリップポッドについて小牧 美沙さんにインタビューしました。

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Ethical Leaf編集部

一貫したコーヒー事業を展開するリーディングカンパニー「UCC上島珈琲」

世界初の量産化を開始した、焙煎時にCO2を排出しない「水素焙煎」や「サステナブルなコーヒー調達」基準など、同社が取り組むサステナビリティについてグループ会社のソロフレッシュコーヒーシステム株式会社 ドリップポッド ブランドマネージャーの小牧 美沙さんにお話をお聞きしました。

コーヒーの「2050年問題」に正面からアプローチ

――御社は老舗コーヒーブランドながら、商品開発やサステナビリティへの取り組みにおいて常に挑戦の姿勢をお持ちの印象です。さっそくですが、現在取り組んでいるサステナブルな活動について教えていただければと思います。

小牧 美沙さん(以下、小牧さん):UCCグループはコーヒーの苗木を育てることから、一杯のコーヒーにたどり着くまで、 コーヒーに関わるあらゆる事業を展開しています。

そういったUCCだからこそ、いわゆる「2050年問題」にかなり危機感を覚えております。

――「2050年問題」とは、どういったものでしょうか。

小牧さん:今、気候変動の影響などで、コーヒー産地で雨季にもかかわらず雨が降らなかったり、今までなかった病気や害虫の被害に見舞われるなど、見立て通りに収穫できないという事態が起こり始めています。

このまま加速すると、2050年にはコーヒーの2大品種のうちのひとつである「アラビカ種」を耕作できる土地が半分以下になってしまうのではないかといわれています。
これが「2050年問題」です。

――それは大変です。気候変動によって多くの土地に影響が出始めています。

小牧さん:我々はこれを重く捉えて、美味しいコーヒーをずっと多くの方に楽しんでいただくために「UCCサステナビリティ指針」に基づく取り組みの一つとして「サステナブルなコーヒー調達」という独自の基準を設けました。

サステナブルに調達されたコーヒー豆を50%以上使用している製品には、オリジナルのマークを表記しています。
そして、2025年の秋にドリップポッドのコーヒーラインアップは家庭用・業務用の全製品をその基準を満たしたものにアップデートしました。

ただ、コーヒーの消費国が危機感を覚えて何かの基準を生産国の方々に押し付けたとしても、一方的なものになってしまいます。
そこは一緒にやっていくべきだと思います。

――その点はどのように取り組まれていますか。

小牧さん:「サステナブルなコーヒー調達」には、生産者が実際に取り組むことができる範囲までブレイクダウンして基準を設けています。

例えば、処理に使った水はきちんと処理を施してから川に戻すとか、禁止されている農薬は使わないとか。
そういったレベルまで落とし込んだ26個の項目を作って、まず生産地の方々にこういう基準があるということをお話しています。

そして基準を満たした豆はUCCがプレミアムの価格をつけて責任を持って買い取るという仕組みになっています。
その仕組みに準じたコーヒー豆を使用した製品であるということを明らかにするために、こうした「サステナブルなコーヒー調達」マークを付けております。

ただUCCだけでは限界がありますので、コーヒー豆の商社や認証団体の皆様にもパートナーとして参画いただきました。
連携することで結果的に商社さんにも相乗効果があるということを理解いただき、賛同してくださった方と少しずつその輪を広げていくための活動を行っています。

――ドリップポッドに限らず、UCC 全社としてこういうサステナブルな調達を広げていこうとされているんでしょうか。

小牧さん:はい。ただ、このスピード感で対応しているのはドリップポッドのブランドが初めてですね。
グループ全体では、2030年までにUCCブランドの製品をサステナブルな調達に切り替えるという目標を定めています。

――素晴らしいですね。一般のお客様からはどんな反応がありましたか?

小牧さん:有難いことに、ポジティブなご意見をたくさんいただいております。

コーヒーの「2050年問題」ってなんとなく聞いたことはあったけど、よくわからなかったという方が多かったようで、普段自分が飲んでいるコーヒーが「2050年問題」にアプローチしていることを改めて知れましたと。

また、ドリップポッドはサステナブルなコーヒーという点だけを魅力として押し出すというよりは、どちらかというと、普段飲んでいるものが自然とサステナブルなものに置き換わっていたというのを目指しています。

サステナブルな食品はどうしても価格が高くなってしまうものが多いと思うのですがそういった状態を目指すなかで、従来の販売価格を変えずにサステナブルなコーヒー調達に準じた製品に変更しています。

サステナビリティ、味、デザインを追求

――続いて、UCCグループが世界初の量産を開始した「水素焙煎」について教えていただけますか。

小牧さん:端的に言いますと、水素を熱源として使用することによって焙煎時のCO2発生を抑えることが可能になりました。
実は、UCCが携わるコーヒーの生産工程の中で直接的なCO2排出が一番多いのが、焙煎なんです

焙煎する際の熱源としては天然ガスを使うのがメジャーでしたが、そこを水素に置き換えました。
「HydroMaster/ハイドロマスター」という焙煎機で、フル稼働すると年間で570トン排出されるCO2が実質ゼロになる計算です。※

一方で、環境にいいと謳うだけではお客様に受け入れていただけません。
やはり美味しくないと飲み続けられないので、水素焙煎でも美味しさにはかなりこだわっています。

焙煎も料理のように火加減が重要で、温度を変えることで豆の甘さを引き出すなど、理想的な味わいをつくるために焙煎温度・時間の微妙なコントロールが重要なんですよ。

水素だと、その温度管理を細かくできるのでさまざまな美味しさを引き出す焙煎プロファイルが可能になります。
※富士工場工業用大型焙煎機「HydroMaster」の場合(焙煎工程における排出量)

――他にもドリップポッドには美味しさのヒミツがあるとお聞きしました。

小牧さん:出汁(だし)の食文化をもつ日本人に合わせて「ドリップ」式で開発をしてきました。

どちらも素材のうま味を水にうつして味わうという共通点があり、素材そのものの味わいを感じ取れる繊細な味覚をもつ日本人だからこそ、「ドリップ」式での抽出にこだわっています。

――カプセルを開けてマシンにセットしてボタンを押すだけで、手軽にドリップ式の美味しいコーヒーが楽しめるのは嬉しいですね。

小牧さん:また、今は「カフェインレスコーヒー」の開発にも力を入れています。

カフェインレスというと寝る前に飲んだり、カフェインの摂り過ぎをセーブするために飲んだりする方が多いと思うのですが、UCCが独自で行ったアンケート※によると、カフェインレスコーヒーを飲んだことのある方は半分くらいいて、「普通のコーヒーよりもからだにやさしい」「刺激が少ない」「睡眠の質が下がらない」というポジティブなイメージがあることがわかりました。

一方で、あまり飲まない方は「味が薄い」「物足りない」という印象をお持ちで、頻繁に飲まないという選択に繋がっているようです。

我々はカフェインレスコーヒーも普通のコーヒー同様に味わいから選んでいただきたいと思い、マイルドな味わいのカフェインレスに加えて、フルーティーな味わいの「カフェインレス モカ&ブラジル」を発売しました。

――飲ませていただきましたが、こちらはとてもフルーティーな味わいですね。また、他に気になっているのが、DRIP POD YOUBIはデザインがとても可愛らしくてサイズもコンパクトなことです。家の中のいろんな場所に置けそうだなと思いました。

小牧さん:デザイナーの二俣公一(ふたつまた・こういち)さんにデザインしていただき、機能面だけでなくデザイン面でも「持ち運べる」ことがわかるようにしていただきました。

このキャリーハンドルは「自由の象徴」であり、「どこにでも連れて行ってね」というメッセージが込められています。
そして全体的にすごく無駄がないミニマルなデザインになっております。

――元々コーヒーが好きで、独身時代は美味しい豆を買いに行って自分で淹れて……とこだわっていましたが、結婚して子どもができてからはペットボトルのコーヒーを飲むことが増え、変わりました。でも、ドリップポッドがあればボタンひとつで抽出できていろんな飲み方ができますね。

小牧さん:そうですね。ドリップポッドでしたら、お子さんが寝ている時でも使っていただけますよ
実はホテルの客室で一番採用されているカプセル式ドリップマシンでして、お連れ様がお休みになっている時も音で眠りを妨げないほど静かです。

――ドリップ中にもかかわらず、とても静かで驚きました。本当にいろんなシーンで使えそうですね。では最後に、エシカルに限らず、ドリップポッドとして今後どういうことをやっていきたいか教えていただけますか?

小牧さん:「一人でも多くの方に美味しいコーヒーを届け続けたい」と思っております。
どれだけいい豆を買ってきたとしても、おいしいコーヒーになるまでには抽出という工程を踏む必要があります。

でも、今は皆さんお忙しいので、コーヒーについて学んで、量りの上に乗せて温度は何度で抽出して……みたいなことをきっちりとやるのは難しいですよね。

そこで、抽出の部分も豆の品質の部分もしっかりと担保できるのがドリップポッドです。
カプセルごとに、湯量や湯温を調節し、コーヒー豆の特長に合わせて抽出が可能です。

また、カプセルの封が密閉されているため、鮮度の良いコーヒー豆の香りを楽しみながら、抽出することができます。
こういったカプセル式コーヒーシステムの普及を通じて、より多くの方が気軽に飲みたい時に飲みたい分だけ確実に美味しいコーヒーを楽しめるという世界の実現に向けて、企業活動を続けたいと考えています。

そのためには、サステナブルなコーヒーをより多くの人に召し上がっていただくとか、美味しいと思って価値を感じていただくことも必要だと思うので、水素を熱源とした焙煎をしたり、サステナブルなコーヒー調達マークがついた製品を展開したり、これからも積極的に行っていきたいです。

まだ実験段階ですが、このカプセルケースを再利用してペンやファイルに加工する構想もあり、ゆくゆくそういったことも形にしていきたいと思っています。

――楽しみが広がりますね。これからも御社の一杯のコーヒーを通したサステナビリティの実現を応援しています。

調査名:カフェインレスコーヒーに関する意識調査
日時:2025年8月20日〜2025年8月21日
調査対象:月1杯以上コーヒーを飲んでいる全国の20代~50代の男女5438名、ならびにそのうちカフェインレスコーヒーを飲んだことがある全国の20代~50代の男女800名
UCCのカプセル式ドリップコーヒーシステム「ドリップポッド」伸長する「カフェインレスコーヒー市場」の消費者実態を調査背景に「カフェインマネジメント」?20代の2人に1人が実践20代は美容、30代以上の世代は健康予防に需要。おいしさ向上で拡大の兆し | UCC上島珈琲


話し手

ソロフレッシュコーヒーシステム株式会社 事業開発部

ドリップポッド ブランドマネージャー 小牧 美沙

2019年4月ソロフレッシュコーヒーシステム株式会社に入社。 ドリップポッドのプロモーション・ブランド戦略の企画実行に従事。

この記事を書いた人

Ethical Leaf編集部

エシカルな生活を楽しむライフスタイル・マガジン『Ethical Leaf』(エシカルリーフ)編集部。 「日常のなかでふと気づく誰かのこと、環境のこと、世界のこと、地球のこと」をベースに、生活のなかに取り入れやすい(&心に留めておいてほしい)エシカル(倫理的な)情報を集めて発信中!

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